マインドセットの影響力

あなたにとって「ストレス」とは?

今年ある場所で「ストレス」に関する研修をさせていただいています。
ストレスといっても、職場の人間関係や仕事と家庭との両立など、日常発生しがちなストレスについて焦点をあて、どのように対応するかというような内容です。
こうした機会をいただくと、これまで比較的漠然とストレスを見てきたことに改めて気づきます。
研修内容を組み立てるために、関連する本を読むことが多くなりました。
そもそも、みなさんにとって「ストレス」にはどのようなイメージがあるでしょうか?
「ストレスはなくさなければならない」「ストレスにさらされると健康に悪影響がある」など、どちらかというとネガティブなイメージがあるという人は多いのではないでしょうか。
メディアの情報もそのようなトーンのものが目立つような気がします。
一方で、ストレスに肯定的なイメージをもっているという人もいるかもしれません。

イメージが死亡リスクに影響するという研究

今回私が読んだものの中にケリー・マクゴニガル著『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』という本があります。
健康心理学者として著者もかつてはストレスに対してネガティブなイメージをもち、「ストレスは健康に悪いから、なるべく避けたり減らしたりして管理する必要がある」と信じていたそうです。
が、1990年代末にアメリカで行われた3万人へのインタビューと8年後の追跡調査結果を知り、考えを変えることとなりました。
その研究事例によると、一年以内に強度のストレスを抱えたことのある人のうち「ストレスは健康に悪い」と考えていた人は死亡リスクが43%高くなったが、「ストレスは健康に悪い」と思っていなかった人の死亡リスクの上昇は見られなかったそうです。
それどころかこのグループはストレスがほとんどなかった人たちよりも死亡リスクが低かったといいます。
結局、人はストレスで寿命を縮めるのではないという結論が出されたというわけです。

マインドセットがもたらす影響

マインドセットというのは、無意識の思考のクセ、思い込み、価値観、信念といったものを表します。
上記の調査でも結果を分けたのはストレスに関するマインドセットの違いでした。
ストレスに否定的なイメージをもたなかった人は、ストレスにさらされていなかった人よりも健康でいられたのです。
『原因と結果の法則』で有名なジェームズ・アレンは「私たちは自分が考えているとおりの人生を生きているのです」という言葉を残しています。
ここでは「マインドセットが人生をつくっている」と言い換えてもいいでしょう。
自分が何を信じているのか…このことに意外に私たちは無関心です。
無意識のレベルで自然にマインドセットがつくられ、現実世界に反映していることが多く、きっかけがなければなかなか気づけません。
みなさんは「ストレス」という言葉に対してどのようなイメージをもっていますか?
もしネガティブなものだったとしたら、「悪いものではないらしい」ぐらいに認識を変えてみてはいかがでしょうか?
実際にストレスには効用もあります。
次回以降、このブログを担当する時はそんなことも書いてみたいと思います。

(2022年5月29日 岩田)

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