聴き方のレッスン(2)聴き方の基本スキル-その1

無意識にやっていることは気づけない

日々の生活の中で、無意識に行っていることって多いですね。
たとえば、今日私は駅に行く道を間違えそうになりました。
我が家は鉄道3線の駅が徒歩圏内にあります。
いつも使うのは一番近い駅ですが、今日は人に会うために最も遠い駅から別の電車に乗ろうとしたのです。

途中までは同じ道ですが、踏切を渡るところがいつもと違います。
家を出るときは確かにどこに向かうかわかっていたはずでしたが、途中でどの駅に向かっているのかを忘れたのでしょう。
足が勝手にいつもの駅に向かっていました。
踏切を通り過ぎようとした時、突然、いつもの方向に進んでいることに気づき、踏切を渡り、無事目指す駅に着いたのです。

習慣になっていることはほとんど自動運転状態です。
だから些末なことに煩わされてエネルギーを使うことなく、大事なことに力を注げるわけですが、半面、習慣になっていることを変えるような行動をとることは意識しないと難しいということです。

無意識の聴き方に気づくことからスタートする

聴くということも、ほとんど無意識にしているのではないでしょうか。
まずは、どんな聴き方をしているのかを気づくところからがスタートです。
その上でできていないところを意識して直すようにすることになります。
ただ、できていると思っていても安心はできません。
場面によって、相手によって思わぬ行動をしていることもあります。
その都度それに気づくことができるような自分でいたいものだなぁと思いますが、なかなか難しいものですね。

よりよい聴き方のするためのスキルを知ることは、何ができていて、何ができていないのかを判断しやすくなります。
これから聴き方のレッスンでお伝えしているスキルをひとつひとつご紹介していきます。

基本スキル1 相手に視線を向ける

人は言葉そのものから情報を受け取るわけではありません。
有名なアルバート・メラビアンの法則では、声のトーンやボディランゲージから受け取る情報が9割以上だといわれています。
例えば、「いいよ」と、優しい声と表情で言ってもらったら、安心して何かを頼めるでしょう。
でも、怒ったように「いいよ」と言われたら、たじろぎますよね。
私たちは耳や目から受け取る情報で、言葉の意味を決めるのです。
スマホを見ながらなどの「ながら聴き」では、
相手の意図を十分にくみ取ることができません。
まずは、相手の顔を見て聴くということを原則とすることをおすすめしています。
部下が何かを言おうとしていたら、手を止めて、相手の顔を見て聴いていますか?
お子さんが学校であったことを伝えようとしていたら、目線を合わせて聴いていますか?
話す立場に立った時を想像したらわかることですが、自分を見てもらっているというだけで、受け入れられているという感覚になるものです。
ただ、じっと見つづけられると緊張する人もいるので、凝視にならないよう、全体的にふんわりと見る、ぐらいがいいかもしれません。

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もちろん、いつも丁寧に聴けるわけではないでしょう。
「こっちも忙しいのに」というときは、それが態度に出てしまいます。
「ごめんね、後で聴くね」と伝えて、後で落ち着いて聴くという方がいいこともあります。
聴かなければいけないと思いすぎても、しんどいですから。

ちなみに、相手を見るのでなく、並んで座って、同じものを見ながら話すというのもいいですね。
海や山など自然を眺めながらだと、素直な言葉が出てくるような気がします。
今、ある光景がよみがえってきました。
ずっと前グループで沖縄に行ったときのことです。同室となった友人と、それぞれのベッドに入り、薄明りの中、気持ちのいい寝具に包まれて、
天井をみながら夜遅くまで話をしました。
話の内容はすでに忘れていますが、心地よかったという思い出は残っています。

結局、物理的に相手を見ることだけが重要なのではありません。
相手を尊重し、話に耳を傾けるということが大事だということです。

次回は2のペーシングについて書いていきます。

(2016年11月18日 岩田)

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