聴き方のレッスン(2)聴き方の基本スキル-その3

基本スキル、前回は
2.ペーシング
を取り上げました。
今回は、相づち・うなずきのスキルです。

3.うなずき・相づち

スキルといっても、日常会話の中で自然に行っていることですね。
熱心に話を聴いていたら、うなずきも多くなっているでしょう。
相づちは、短い言葉で反応することです。
「へぇ」「なるほど」「そうなんですか」など、これも、無意識に言葉にしていることが多いはずです。
スキルということに違和感すら覚えるかもしれません。
が、無意識にしていることほど見直すと効果的です。

うなずき方にもクセがある

ビデオに撮って再生したら、客観的に自分のクセを見ることができます。
が、そんな機会はなかなかありません。
普段自分がどのようなうなずき方をしているのか意識することもまれです。
まずは他の人を観察してみてはいかがでしょうか?
他の人のうなずき方に焦点を当ててみるのです。
そうすると、
「あ、この人はあまりうなずかずに話を聴くんだな、でも、もう少しうなずいてくれると話しやすいかな」
とか、
「けっこう、うなずきのペースが速くてせわしなく感じる」
など、
気づくことがあるはずです。
他者のクセに気づくと、自分との比較もしやすくなります。
その上で、誰かに自分のクセについて質問してみるのもいいですね。

七色の相づち

コーチングを習いたての頃、誰かが「七色の相づち」という話をしていました。
人の話を聴き続ける時、質問などを挟まずに、多様な相づちを駆使するというような状況を表現したものです。
相づちは、漢字で「相槌」と書きます。
デジタル大辞泉によると、鍛冶(かじ)で2人の職人が交互に槌を打ち合わすことを表した言葉だそうです。
槌をふるう呼吸が合うと、仕上がりもよくなったのではないかと想像することができますね。
そこから、「相づちを打つ」とは、相手の話に調子を合わせて受け答えをすることという意味になりました。

振り返ってみると、私たちは七色どころか、なじみのある相づちを繰り返し使っていることがほとんどではないでしょうか。
理由は、ただ慣れているから、他にバリエーションを知らないから、といったところでしょう。
改めて、相づちにはどのようなものがあるのかをみていくことにしましょう。

相づちのバリエーション

相づちは、相手の話に調子を合わせて受け答えをするということでした。
ただ、どこまでの受け答えを相づちと分類するのかは曖昧です。
ここでは、一般的に相づちと認められそうな言葉を挙げていますが、
他にもさまざまな言葉があると思います。
ぜひ、考えてみてください。

①肯定する

相手の言葉を受け止める言葉です。
はい ええ そうですね そうですか なるほど その通りですね すてきですね
本当ですね 私もそう思います ごもっともです 良かったですね

②共感する

相手の気持ちを推し量りながら、自分の気持ちものせる言葉です。
そんなことがあったんですか そうなんですね
それは大変でしたね 残念でしたね お辛いでしょうね

③驚きを伝える

話の内容にもよりますが、新鮮な驚きは相手の話す意欲を高めます。
興味をもって話を聴いていくと、好奇心が刺激され、驚くことも多くなります。
そうなんですか! それはスゴイですね! びっくりしました! まさか!
本当ですか? 驚きましたね!

④否定する

相手が自分に対して褒め言葉を使ってくれる場合など、日本人としてはつい謙遜してしまいます。
また、相手が自身を卑下するような表現をした時、相手を尊重する気持ちでそれを否定することもよくありますね。
いいえ そんなことはありません とんでもないです
確かにおっしゃるとおりですが…

⑤話を促す(うながす)

もっと聴きたいという気持ちを込めて、話を促します。
相手も喜んで聴いてくれているという確認ができ、話を続けやすくなります。
それで? それからどうなったんですか? もっと聞かせてください

以上、うなずきと相づち、いかがでしたか?
これは使っているというものもあったでしょう。
ちなみに相づちは、言葉そのものだけでなく、声のトーンやタイミングも大切です。
同じ「そうですか」でも、言い方によって大きな違いがあります。
そうなると、相手に合わせて相づちのバリエーションは無限大ですね。
工夫を楽しんでみてください。

(2016年12月9日 岩田)

関連記事

アーカイブ

ページ上部へ戻る