忘れ物をするのはなぜ?

忘れ物なんてしたくないのですが…

先日、東京であるセミナーに参加した時にやってしまいました。
忘れたものは、財布や携帯を入れたバッグ。
セミナー終了後、数人で夕食をとるためにお店に入り、注文を終えて一段落したところで、なんとなく違和感を感じてはじめて気づきました。

その日は泊まりだったので、キャリーバッグはしっかり持って出たものの、肝心のバッグを会場に忘れてきたのです。

慌てて会場に戻ると、まだ中に人がいて、部屋に入ることができました。
見ると、私のバッグはテーブルの上にぽつんと取り残れていて、引き取りに来られるのを待っているかのようでした。

まわりにいた人からは、
「岩田さんは、忘れ物なんてしそうもないから、意外!」と驚かれました。

あ、私ってそう見られているんだなぁと、思いましたけど、実際は結構な忘れ物魔です。

理想にしていたイメージ

数年前にやっと気づいたことですが、私がひそかに理想に掲げていた自分のイメージというのがありました。
それは、一言でいえば「落ち着いていて、スキのない人」です。
もちろん忘れ物なんかしない人です。
よくよく考えると、あまり面白味のないイメージですけど…。
ただ、時々慌てて失敗する、よく忘れるという自分がイヤになっていた私にとっては確かに理想だったのです。

今回、「そんな風に見えない」と言われたのは、ある程度、理想のイメージつくりに成功したといえるでしょう。
が、イメージはできても実際にはなにも変わっていません。

現実が変わらないのにイメージを大事にしすぎてしまうと、気を抜いた時に、理想と反対のもうひとりの自分が出てくるのです。
ダメな自分が、時々自己主張して、根本的には何も変わっていないことを知らしめてくれるようです。

今回の忘れ物も、まさにそれです。
実際には自分がエアポケットに入ったような状態でした。
部屋を出るときにバッグがないことなど、全くわかっていません。
が、忘れ物に気づいたとたん、そんな自分にがっかりさせられるのです。

どうしたら忘れなくなるのか?

忘れ物をしないためにどうしたらいいのか?
たとえば、部屋を出るときに確認する、スケジュールを確認しシュミレーションするなど、習慣づけをするようにするのはある程度の効果があるでしょう。
実際、私はそうしようと強く決めました。

が、それは対処であって、根本的な解決ではありません。
自分の中の一部分を抑圧し、否定してきた結果、コントロールできないエアポケット状態が生まれたのです。

「スキのない人間」という私の理想は、現実の自分が欠点だらけであるということが出発点です。
欠点など誰にでもあり、それを恥じることもないのですが、私はそこにこだわっていました。

本当に解決するためには、何を抑圧してきたかということに気づき、そんな自分を受け入れることです。

今回の忘れ物で、抑圧していた自分にまた気づくことになりました。
無意識の働きを観察していくと、人間のこころの動きや行動の理由がよくみえてきます。

みなさんには、どんなことが起こっていますか?

(2016年11月22日 岩田)

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