お彼岸に思うこと

そもそも「お彼岸」とは?

昨日、大阪にある母方のお墓参りに行って来ました。
春と秋のお彼岸に、姉と二人でお参りに行くのが恒例になっています。
孫達も一緒に2~3度行きました。
お水を汲んだり、お墓の周りを掃除したり、小さな手で手伝う姿が微笑ましかったです。
まぁ、帰りに「量り売りのお菓子」を好きなだけ選んで買ってもらえたことも、「お墓参り大好き…」につながっている要因ではありますが…。
そもそも「お彼岸」とは? 
「暑さ寒さも、彼岸まで」と言われるように、気候の変わり目で、3月の春分と9月の秋分を中日とした前後3日間、計7日間のこと。
「彼岸」と言う言葉は、もともと仏教の用語で、煩悩すなわち心身を悩ませ、乱し、煩わせ、悟りの境地を妨げるあらゆる精神作用を脱した、「悟りの境地」のことを言います。
我々が住んでいる世界を「批岸」、仏様の世界(極楽浄土)を「彼岸」と呼びます。
私達が大切にしている、お彼岸にお墓参りをするという習慣は、日本独自のものだそうです。
そこで、興味が湧いたので、少し調べてみました。
極楽浄土は、はるか西のかなたにあると考えられているため、太陽が真東から上って西に沈んでいく、昼の長さと夜の長さが同じ日の春分の日と秋分の日は、我々の世界である「批岸」と、仏様の世界である「彼岸」が最も通じやすくなる日であると理解されるようになりました。
それで、このお彼岸にお墓参りに行くと、私達も極楽浄土に近づきやすいと思われて、自然と習慣になったそうです。

人生は万事都合良く備えられている

数日前から発生した台風17号の影響があって、風雨が強まるかも…との天気予報がなされていましたが、私はご先祖様が楽しみに待っていらっしゃるように思われ、日程を変更するのはとても抵抗感があり、予定通りに当日を迎えました。
曇り空に時折陽が射すお天気で、気温も低めだったので、心地よくお参りができました。
お参りの後は、いつも、何故だかホッとした安堵感に包まれます。
「あ~ぁ、日本人だなぁ~」という思いがします。
日頃から強い信仰心があるというわけでもなく、「困ったときの神頼み」という、誠に身勝手な信仰心ですが、「お天道さまが見ている」――神様はすべてお見通しという思いは常にあります。
自分が望むと望まないに関わらず、必要なことは全て整えられて、それぞれの人生が「万事都合良く」進んでいるという、漠然としてはいますが、深い所で確信めいたものがあるのです。

誰にでもある人生の大切な転機

長い人生の中で、仕事柄もあって、多くの方々にお会いしてきました。
超一流と言われる、著名な先生方。
社会的にも大きな影響力を持った、プロフェッショナルな方々。
向学心、向上心が旺盛な人達。
支援を必要として、関わってきてくださった人達。…。
立場やお出会いした場面は様々ですが、客観的に少し広い視野で見ていくと、お一人お一人の来し方、人生の変遷が、垣間見えてくる気がします。
恐らく、苦しみ、悩み、葛藤…は絶妙なタイミングでやってきて、振り返ってみると大切な転機だったこと、今を作る大きな成長のきっかけだった…と感謝の念が湧いていらっしゃるのではないでしょうか。
誰しも、「苦しみの渦中」に居る時は、これが永遠に続くかのように思えて、感謝どころか出口の見えない蟻地獄に陥った思いになります。
私達は本能的に、楽しいこと・快いことを求め、苦しいこと・痛いことは一刻も早く取り除きたい衝動にかられます。
平穏無事、現状維持…を祈りながら、一方では挑戦したい変わりたい自分も居ます。
「人生って何の為にあるのか?」「何故生まれて来たのか?」――時折これらの質問が浮かびます。

M・スコット・ペック博士は、著書『愛すること、生きること』のなかで、
「人生は困難なものである」
「問題に直面し解決する全過程にこそ人生の意味がある」
さらに、「人生は精神的成長のため」
「愛とは、自分自身あるいは他者の精神的成長を培うために、自己を広げようとする意志である。」
と書かれています。
心が強くて前向きな時は、「その通り!」と思い、頑張る勇気が湧いてきます。
が、心が弱くて怠惰にまみれている時は、「そんなことは無理!」と、沈んでしまいます。
私は、そんな時は、思い切り自分の中に引きこもります。
苦しむ自分、否定し葛藤する自分、落ち込んで逃げ出したくなる自分…しばらくそっとしておくと、どこからかエネルギーが少しずつ補充されてくるのが感じられます。
まだまだ若いなぁーと、ふと笑みがもれ、一人で愛おしく慈しむ思いが湧きあがってきます。
これからも、まだ試練をいただける自分に感謝していきたいと思っています。
楽しいこと、嬉しいこと、感謝すること、感動することは、私の心次第でいつでも無数にやってきてくれます。
自分の弱さを受け入れることのできる強い私、柔軟な私、バランスのとれる私…でありたい。
これでいいと自己肯定できずに、もがき続ける気持ちを大切にしようと思いました。

(2019年9月22日 若杉)

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