最後の聴き方のセミナー Win-Winについてのトピック

12回の「聴き方のレッスン」セミナーが終わりました

昨年4月から始めたセミナーですが、
1年間で一旦区切りにすることとなりました。

最終日は3月26日(日)。年度末ということもあり、予定されていた方々が来られなくなり、ごく少人数での開催となりましたが、最後にふさわしい濃い時間になりました。

最終回テーマは「Win-Winの関係を実現するには?」

昨年の投稿※で扱った『7つの習慣』の6つのパラダイムを、日常生活に当てはめたり、疑問に思うことを出し合ったりしながら、対話を進めていきました。
(※理想的なコミュニケーションとは?
複数の人の視点があると、自分だけでは気づかないところに焦点があたります。今回も興味深い時間になり、結果的に2時間弱の間に、Win-Winに対しての認識が深まっていきました。
いくつか面白い発見があったので、何回かに渡って記事にしてみます。

人間関係の6つのパラダイム(枠組み)

スティーブン・コヴィー著『7つの習慣』では、人間関係には以下の6つのパラダイムがあると書かれています。
以下の説明は、同書からの引用です。

(1)Win-Win(ウィン・ウィン)
すべての関係において常に相互の利益を求める心と精神のこと。
互いに満足できる合意や解決策を打ち出す。人生を競争ではなく協力する舞台とみるパラダイム。

(2)Win-Lose(ウィン・ルーズ)
「私の言うとおりにせよ」という独裁的なアプローチを生み出す考え方。地位・腕力・資格・所有物・個性を使い、自分の立場や意見を通そうとする。

(3)Lose-Win(ルーズ・ウィン)
基準、希望、期待、ビジョンなどがなく、相手に降伏する状態。
人に受け入れられ好かれることに自分の価値を求める。自分の気持ちや信念を表現する勇気がない。

(4)Lose-Lose(ルーズ・ルーズ)
Win-Loseを考えている者同士がぶつかると、結果はLose-Loseになる。
内的な方向性を持たず、敵愾心にかられる。相手を負かすためならば自分がまけても構わないと考える。

(5)Win(ウィン)
競争の意識がなく、大切なのは自分の欲しい結果を確保することだけで、
ほかの人が目的を達成できるかどうかはどちらでもよいと考える。

(6)Win-Win or No Deal(ウィン・ウィンorノー・ディール)
No Dealとは取引しないということ。双方が納得する案を見つけることができないときは、「合意しないことに合意する(取引しない)」という
選択肢を持つこと。

人は状況によって、いずれかのパラダイムの中に身をおいている。
最も良い選択は、その状況によって異なるが、相互依存状態においてWin-Win以外は低次元の選択。
本当のWin-Winを達成できなければ、No Dealを選ぶ方が適当。
(S.コヴィー)

トピック①
4つのポジションのうち、3つにはloseが含まれている

ある参加者が、上の図を見ていった言葉です。
コヴィー氏が、Win-Win以外は低次元だという意図はここにあるのでしょう。
また社会生活において、また進学や就職などにおいても、私たちは無意識に
競争に駆り立てられていることが多いのではないでしょうか。

ここに4人の人がいて、1個のオレンジをもらうために争った場合、結果的には、ひとりの勝者と3人の敗者が生まれます。
敗者の中には、オレンジをもらえなかった悔しさゆえに、次は勝者になろうとする人がいるでしょう。
すると、今回勝った人は、勝った喜びを感じつつも、次には敗者になるかもしれないという恐れを同時に抱くことになります。
また、敗者の中には、自分は永遠にオレンジをもらう資格がないと卑下する人もいるかもしれません。
誰かが負けなければならないという競争は、負の連鎖を生みやすくなります。

では、Win-Winであるためにどうしたらいいのでしょうか?
オレンジを平等に分けて、みんなで食べるというのは、最も単純なWin-Winのアイデアですね。
でも、さらに自由に発想することができるはずです。
Win-Winにスタンダードな正解というのはありません。
4人にとってのWin-Winとは何か?まずはそこから考えなくてはならないでしょう。
その上で、協力してアイデアを出し、互いに納得できる解決策を生み出していく。
そのプロセスに価値があるのだと思います。

近日中に、トピックの続きにもふれてみます。

(2017年3月28日 岩田)

関連記事

アーカイブ

ページ上部へ戻る