若杉章子の一文字ブログ5「絆」

今回の文字は、『絆』です。

22年前の阪神淡路大震災、その後、東北・熊本・山陰…と、大きな自然災害が起こると、日本人の思いやり、助け合いの精神がクローズアップされて、『絆』の文字が、メディアに溢れます。

「絆」は、本来、犬・馬・鷹などの家畜を、通りがかりの立ち木につないでおくための綱を意味して、しがらみ、呪縛、束縛の意味に使われていたようです。

人と人との結びつき、支え合いや助け合いを指すようになったのは、比較的最近のこと。

音楽の曲名や映画の題名にも、「絆」がたくさん使われています。
強い絆は、「存在を認知」される、安心・安全の、心地良さをもたらしてくれます。

私も、人とのつながり、社会とのつながり…が、とても大事だと思っています。
その裏には、「居場所を失うこと」、孤独への強い恐怖心があるのが分かります。

多くの人は、高齢になって、長年勤めてきた会社を退職すると、生き甲斐を失くしたかのように一挙に光彩が消える。
もう、社会に必要とされていないのでは…と、大きな不安に襲われる。
人は、どこかで、誰かと、いつもつながりを感じていたい。
誰かの、何かのお役に立っていたい。
その実感が欲しいと思っている。

時として、そのしがらみが息苦しくて、がんじがらめの状態から自由になりたいともがく。
自分の時間、自分だけの世界…に逃げたくなる。

極端にどちらかが重要になり過ぎると、反対側に強い憧れが表れてきます。
人間は、大自然から見ると、本当に小さな弱い存在です。
無力で、無能で…。
それをしっかり認めればいいのに、私も、大きな抵抗があって、認めきれていません。
だから、無力感、無能感に襲われて、ブラックホールに吸い込まれていきます。

無力で、無知で、無能で、有限な命を生きているからこそ、「いま・ここ」の大切さに行きつきます。

固い『絆』で結ばれるとは、揺るぎない信頼関係で結ばれること。
「いま・ここ」を意識して、社会が、大きくは宇宙が、絆で結ばれるために、さて、私は何をしようかな…。

(2017年2月20日 若杉)

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