『コーチング・ハンドブック』

コーチングのセンスを磨くための本

おすすめの本です。

2016年9月発刊
山崎啓支著
日本能率協会マネジメントセンター

著者の山崎啓支さんのNLP認定コースに参加したのが2009年。
以来ずっとご縁が続いています。

NLP(神経言語プログラミング)で日本を代表するトレーナーである山崎さんですが、3年ぶりに出されたこの本は、「どうしたら卓越したコーチになれるのか」をテーマにしています。
そう、これまでの著書とは異なり、コーチングの本なのです。

とはいえ、人間の本質を理解した上でコミュニケーションの質を高めるという姿勢はNLPもコーチングも同じです。
本書には徹底的にコーチ(または、人を支援する人全般)の「あり方=Being」を磨くための考え方と実践のヒントがちりばめられています。

約3年に渡り、苦労して書かれたと伺っていた本のことですので、少し長めのご紹介をしたいと思います。

400ページにわたる本書は、3部構成になっています。

第1部は、コーチングの基礎的な技法と潜在力を発揮するための考え方

本全体の3割ほどを割いて以下のようなことが説明されています。
・質問がなぜ気づきをもたらすのか
・コーチングの基本モデル(GROWモデル)の使い方
・人の変化はどうやって起こるのか、など

変化の本質は無意識のレベルにあり、とりわけ無意識が作り出すネガティブなプログラムに気づくことが鍵となります。
そして、そのプログラムを意識でコントロールできるようになることが潜在力を自由に発揮するためには不可欠になります。

5章にわたるこの第1部を理解することは、「あり方」を磨くために重要だと思います。
コーチングを学んだことがないという方にも、基本スキルの紹介とコーチング例があるので、読みやすいのではないでしょうか。

第2部は、クライアントとの信頼関係を築くための根本的方法

相手と信頼関係を築くことを「ラポールを築く」といいます。
本の中では、「NLPでは、『ラポールとは無意識レベルでお互いの心が開かれている状態』だと考えます」と書かれています。

ラポールを築くためのスキルとして、ペーシング(相手とペースを合わせる)やミラーリング(相手と同じ姿勢をとる)といったものが
あります。
具体的なやり方も紹介されています。

さらに、より根本的にラポールを築くためには、安心・安全を提供することだと書かれています。
人の無意識は安心感を得ると心を開きます。
が、もちろん人によってその安心の基準は異なります。

そして、相手に究極の安心を与えるのは「存在そのものの承認」。
それはどのような場合に実現するものなのか…
トレーニングの方法も書かれています。

第3部は、コーチングによる「最高の力」の引き出し方

本全体の半分を占める重要箇所です。

・目標達成のためのイメージトレーニングとは
・パフォーマンスを最大化する秘訣とは
・コーチとしての内面を整えることとは
・コーチングの3つの要素とは
・選択はどの部分から行うのか

と、まずは5つだけポイントをあげてみましたが、他にも多くのポイントがあり、内容は膨大で、深いものです。

この部分は、一読して理解するのは、困難かもしれません。
長年、山崎さんの講義にふれている私自身も、読み終えるのに何日かかかりました。
一度読んだとしても、どこまで自分に落とし込むことができたかというと、それもまた怪しい状態です。

が、何度か目を通してみると、頭で理解するというよりは、自然に体にしみこんでいくような感覚を覚えるようになりました。

今、この本は、私自身のコーチングのバイブルとして、確かな存在感を示してくれています。

コーチや対人援助職の方以外にも、人間の可能性について興味を持ってるという方にはぜひ読んでいただきたい本です。

(2017年1月23日 岩田)

関連記事

ページ上部へ戻る