15年間の心理学・コミュニケーションセミナーで感じたことは…

多くの人が「聞き上手」になったら?

当講座は、これまで約15年、心理学やコミュニケーションに関わるセミナーを開催してきました。
その中で多くの方によく言われたことがあります。
それは、「これまでどれほど人の話を聞けていなかったかわかった」という言葉。
なんとなく相手の話を聞けているように思っていたのに、練習を始めてみると、聞くことの難しさを痛切に感じたというのです。

コミュニケーション上手というと、一般的には話し上手というイメージが強いようです。
確かに自信をもってよどみなく話ができることは素晴らしいことです。

が、もし身近な方の中に、コミュニケーションが上手だなぁと思われる方がいらっしゃったら、よく観察してみてください。
その方と話すと心地よいと思う時は、必ず「聞き上手」な方ではないでしょうか。

「話を聞いてもらえる」というのは、大げさに言えば、相手が自分を認めて受け止めてくれている証拠です。
大人であっても、誰かに認めてもらうことは嬉しいことですし、自分に自信をもつことができます。
子どもであれば、なおさら自分の言葉に耳を傾けてもらえるということが大事になるでしょう。

能動的に「きく」時の漢字は「聴く」になります。

「よく聴く」ためには、相手に向き合うことが必要です。
それまでは言葉だけで受け流してきたことも、しっかり向き合って聴いてみると、いろいろなことに気づきます。

表情や声の調子がいつもと違う?
同じことを繰り返しているのはなぜ?
本当の気持ちはもっと違うのでは?
など…。
相手に対する理解がそこから広がっていきます。

こちらがいくら一生懸命聴いても相手は変わらないという場合もあるかもしれません。
が、多くの場合、相手を理解しようとすると、時間はかかっても相手もまたこちらを理解しようという姿勢になってくれます。
今よりもほんの少し相手の話を聴いてみようするだけで、家庭や職場、地域社会などに変化がもたらされるのです。

身近なところから「聴くこと」を再認識してみてはいかがでしょうか。

(2016年1月6日 岩田)

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