高い集中状態では相反する能力を同時に使っている

『コーチングハンドブック』読書会・第10章

昨年9月から第1章を読み始めた読書会もすでに10回目。

今回のテーマは、「集中力を生み出す」でした。
集中力が発揮され、高い集中状態になったときは「フロー状態」「ゾーン」などと言われる状態に通じるものです。
実際にどのような状態なのか…それは「同時に2人の自分がいる状態」と書かれています。
その2人とは、「没頭している(一点に集中している)自分」と「その体験をしている自分を認識している(俯瞰している)自分」です。
「私にもそんな体験があったのか?」
そんな疑問が言葉にでました。
にわかには思い出せないでいると、他の方が私の体験談を思い出してくれました。
そうそう、そんなこともありましたっけ。
それは一年ほど前、シャンソンの発表会で「愛の讃歌」を歌った時の体験です。
断っておかなければなりませんが、私は決して歌が得意なわけではありません。
フランス語の勉強を兼ねてダラダラと数年間続けている不出来な生徒です。
ただその日はちょっと違っていました。
自分の名前が呼ばれ、一歩踏み出したとたん、先生から借りたロングドレスの裾を踏んでしまいました。
あやうく転びそうになりましたが、なんとか態勢を整え、何事もなかったかのように中央に向かって数歩足を進めました。
するとその間に心が静かになったのです。
転びそうになったことが良かったのかどうかはわかりません。
2,30名のお客様を前に笑顔で歌い出すことができました。
歌っている間、歌の世界観を感じながら歌うことに集中している自分と、会場全体を自分の中に収めたような感覚があり、とても落ち着いている自分とを同時に体験しました。
ちょっと不思議な感覚でした。
見に来てくれた友人が後で、涙が出たと言ってくれたことに驚きつつも、自分の実感としては確かに私史上最高のパフォーマンスだったと思います。
あれがどれほど高い集中状態だったのか判断はできませんが、ある程度は高かったように感じます。
今日思い出すまでは私もその経験を忘れていたわけですから、きっと誰もがそんな状態を体験したことがあるのではないでしょうか?

「最高の力」が高度に発揮されると特別な理解ができる

本文中には、高い集中状態になるとどんなことが起こるのか、山崎さん自身の体験が書かれています。
抜粋して、紹介します。

私も、セミナーやコーチングを行っている時、同じような状態になることがあります。セミナーでは受講生の方から質問を受けます。深い内容を扱うセミナーであればあるほど、私が考えたこともないし、勉強したこともないようなことを質問される場合が多いのです。
その場合でも、状態が良い時には「瞬時に答えがわかる」のです。思ってもない答えがひらめくことが多いからです。それを言葉にするとしたら、私が考えているというよりは「叡智」である無意識が答えを出してくれているという感じです。
その時に感じていることを、あえて言葉で表現すると「答えはわかっている」「それを論理的に説明できるということもわかっている」、ただ、それを言葉に翻訳する際に、「どのように説明していくことになるのかは今はわからない」となります。

誰もが読んですぐ理解できることかどうかは、わかりません。
私自身は10年近く山崎さんから直接学ひ、上の状態を何度も直接見せていただいているので、「なるほど」と思います。
本当に、なぜそんなことがわかるのか、というようなことを、見事なロジックで説明されるのです。
確かに本来、答えはすでに目の前にあるものなのかもしれません。
ただ、私たちはなかなか「叡智」にアクセスすることができません。
どのようにしたら、その集中がもたらされるのか?
第10章にはそのヒントも書かれています。よければ本で読んでみてください。

また、山崎さんのセミナーに興味をお持ちの方は以下のリンクも参考にしてみてください。

NLPラーニング https://www.nlplearning.jp/

アート・オブ・コーチング https://www.art-of-coaching.jp/

(2018年6月24日 岩田)

関連記事

アーカイブ

ページ上部へ戻る