過去と向き合い未来につなぐ

精霊の守り人の槍舞い

今年も一日を残すのみとなりました。
直接お出会いした方、こうしてブログを読んでくださる方、一年間ありがとうございました!
先週末から東京方面で過ごし、来年に向けて心を整える期間になりました。
ささやかながらも心に残る場面にいくつか立ち合い、これから自分がどう生きるのかを探るヒントをもらったように感じています。
その中のひとつが23日夜に見たNHKの大河ファンタジー「精霊の守り人」でした。

もともと上橋菜穂子さんの『精霊の守り人』シリーズは愛読書のひとつですが、主人公の女用心棒バルサを綾瀬はるかさんが演じるドラマは原作の世界観が実写化され、本とはまた違った味わいを楽しめます。
先週23日は「槍(やり)舞い」というお話でした。
(NHKのホームページはこちら)
http://www.nhk.or.jp/moribito/season3/story/05.html

内容をかいつまんで紹介します。
バルサの故郷のカンバルという国は貧しい山国で、約20年に一度山の王からもたらされる高価な宝石「ルイシャ」が貴重な財源となっている。
ルイシャは、山の底からの笛の音の合図によってそれが贈られることが知らされるが、王と選ばれた武人たちしか儀式に参加することはできない。
その者たちはヒョウルとよばれる闇の守り人(もりびと)と、闘って勝利しなくてはならない。
バルサもまた武人のひとりとして儀式に向かい、ヒョウルと対決することになった。
というものです。

印象に残ったのは洞窟の中の儀式場での闘いの場面です。
闇の守り人とは、実は死者たちでした。
目の前に表れるのは自分にとって最も近かった人です。
バルサにとってその相手とは、王の策略により殺された父の友人で自分の養父となったジグロでした。
故郷を追われ、かつての仲間たちを殺さなければならなかったジグロと、そのジグロに育てられたバルサ。
どちらにも心の奥にしまった深い怒りや悲しみがありました。
闘いはどちらかを打ち負かすためのものではなく、互いの心の傷をさらけ出し、理解し合うためのものでした。
はじめは心の奥底の怒りや憎しみをぶつけていたものが、いつしか共に舞うように槍を交わし合い、互いの思いがぬくもりとなって溶け合うようになる…。
青く光る洞窟の映像は、死者の魂を弔い、自らの過去もまた弔うという儀式の目的とともに、とても貴重なものとして心に刻みこまれました。

つなぐ者として

今回の東京方面というのには実家も含まれていました。
お墓参りをし、仏間で眠ると、祖父母や母のことが思い出されました。
幸せだったのかなぁと問いかけながら、苦労の方が多い人生だったのかもしれないと感じました。
また、父や弟夫婦、甥・姪、叔母たちから、それぞれの気持ちを伺い知るような機会もありました。
誰もがさまざまな思いを抱えていますが、それもまた過去の人びとの思いの上にあるのかもしれません。

新年の抱負というと、「自分が〇〇したい、〇〇になりたい」となりがちですが、今は自分という言葉を出す前に、先に逝った人びとに思いを馳せています。
今を生きるのは過去と未来をつなぐということ。
つなぐ者として心を新たに出発したいと思っています。

みなさま、どうぞよいお年をお迎えください!

(2017年12月30日 岩田)

 

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